2004年8月15日日曜日

2004/08/15 Phish show day2 (last show)

昨日よりも客のテンションが高く感じる。スタートの『 Mike's Song』から盛り上がる。






3曲目、『Weekapaug Groove』。好きな曲。歌詞がわからないくせに口づさむ。

ひとしきり落ち着いてトレイが話す。
「いつもはクールなペイジが今日はナーバスなんだよ」みたいなことを言ったと思う。
そして曲も静かに『Anything But Me』と入り、なんとなく落ち着く。
と思ったら『Reba』!これはライブで聞きたかった曲なのでうれしい。韻を踏んでいるような、早口で話すようなおもしろい曲。旦那は、「トレイ大丈夫か?」と少し心配そうながらも楽しんでいる。Jamもいい感じで展開。

『Chalkdust Torture』はマイアミでも演奏。CDでもよく聞いている曲。ハイになる。私はPHISHの曲はノリのよい曲が好きなのだなぁと改めて思う。静かな曲もすきなんだけど、やはりナマで聞いていると特にノレる曲に反応しやすい。単純。

『Possum』!きました。今日、パーキングロットで友だちのお土産にPossumのTシャツを購入したので、旦那と「演奏してくれるといいなぁ」と話していたらここできました。

POSSUMのTシャツ


イントロで思わず旦那と顔を見合わせて笑ってしまった。思いが通じた?!でも、やっぱりヘンな曲。楽しいけど。

お母さんといっしょ。


『Wolfman's Brother』では、トレイとマイクのお母さんがステージに登場。トレイ、マイクとともにダンスダンス。
とても感じのいいお母さんたち。きっと普段から仲がいいのだろうなと思った。
トレイのこういう遊び心というか、演出というか、たぶん思い付きなんだろうけど、いいなと思う。最後のショウに自分の母とともに上がるなんて、なんてイキなことを考えるのだろう。次はマネージャーも呼び出されてダンス。
「Taste」で締めて1stセット終了。

すっかり夕方になっていた。

無謀なヤツらが耕した跡


ブレイクの間に、私は無謀にもトイレにチャレンジ。割合近くに見えたのだ。
辿り着くのは簡単だった。しかし、トイレの前は人がごったがえしていた。それでもなんとか列を見つけて並ぶ。
20個ほど仮設トイレが設置されているのだが、そこは男女がいりまじっている。表の看板では、こちらは女性用だったはずだが、もうそんなものは関係なくなっている。たぶん男性用の方にも女性はいるのだろう。
そして、20個中、トイレとして機能しているものは数個。みんなドアを開けては閉めてを繰り返す。私は、あえて、人の並んでいないドアを開け、あまり中の様子をじっくりみないように、そして前回同様の和式風というか、もうなんでもどうでもいいやという感じで用をすませる。

手洗い場はあまり込んでいなかった。が、手荒い場のすぐ横から驚く光景が広がっていた。

ステージの両側はベニヤ板で壁になっていて、バックステージエリアと、客の入るエリアに区切られているのだが、その壁沿いに何十人もの人が立ちションをしているのだ。しかもひっきりなしに、人が入れ代わり、ベニヤ板の下はえらいことになっている。

呆れてその光景を眺めていると、なぜか顔がこちらを向いている人が。「ん?」と思ってよく見るとなんと女性。女性は、おしりを板側に向けて、ロングスカートを後ろだけまくりあげた感じで立ちションをしている。よくしたもので、隠すべきところはそれでしっかり隠れたまま。それには本当にびっくりした。

再び、泥をよけながら自分の場所まで戻った。思わず興奮して今見てきたすごい光景の話をしてしまった。
それから、2ndで聞きたい曲について2人で話す。2人とも曲名を覚えないだけに辛いけれど、そんな私たちでさえも、あれもこれも浮かんできた。旦那は『Plince Caspian』。私は『Heavy things』。
特別な思い入れがあるわけではなく、ただ頭に浮かんだのだけど、他にもいっぱいあるのに、いっぱいありすぎてわからなくなる。ああ、あと何曲聞けるのか。


後ろはどこまで人がいるのか…


ふたたびメンバ-の姿が見える。この場所のいいところは、まず肉眼で、バックステージエリアに出て来たメンバ-が見えるところ。この周辺の人が騒ぎ出したあとに、スクリーンにメンバ-が歩く姿が写し出される。

『Down With Disease』からスタート。1st以上に客は大興奮。すっかりと暗くなり、照明がきわだっている。
しばらくすると、グロースティックがいたるところから吹き出した。何百という数のグロースティックを、自分の真上に向かって噴水のように投げる人たち。それをまたみんな拾って投げる。








実は私も6本だけ日本から持ってきた。
本当は大量に持ってきたかったのだけど、持っていくと言っただけで旦那にバカにされたので、まあ腕につけるくらいでいいかと少なめに。

しかし、あまりにも飛んでいるグロースティックの数が多いので、私のも芋虫のように6本とも繋いでから思いきり放り投げた。なんとか前方へ。誰かまた投げてくれたのがわかった。満足。

そんなことをしている間に、自分が投げた以上の大量のグロウが頭や身体にあたりまくる。私の後ろの人は、下に落ちたグロースティックをマメに拾っては投げていた。
トレイはステージに落ちたグロースティックをピックがわりにしてギターをひいた。やっぱりトレイって最高におもしろい。

グロースティックでギターをひくトレイ


旦那に「おい、後ろ」と言われて振り返ると、オレンジの強い光りを放つ大量のグロースティックが前方に向かって弧を描いていた。なんて例えたらいいのだろう。グロースティックの波とでもいおうか。
それが、だんだんと私たちのいる前方に向かってくるのだ。とにかく、すごい数のグロースティックに圧倒された。
マイアミでも大量のグロースティックに感動したのだけれど、それとは比にならない量だった。輝くトビウオとでもいおうか、とにかく大量で、動きも生き物のようだった。









その間の演奏もものすごかったのだけれど、結局ずっと後ろばかり見ていた。

興奮も覚めやらぬうちに始まったのがなんと『Wading in the Velvet Sea』。次にこれかよっ。
結婚式のキャンドルサービスに使った思い出の曲。私がまだあまりPHISHをよく知らなかった頃、披露宴の曲決めをするときに旦那が選んだ曲。1曲目の盛り上がりのあとに、こんなに静かな曲を持ってくるなんて。やられた。

そして、歌おうとしたペイジ、涙が込み上げて歌う事ができずに、マイクを客席に向けてしまった。なんとかキーボードはひいている。それを見て思わず号泣。突然とてつもない悲しみに襲われた。すこし忘れていた、今日が最後だということを強烈に呼び起こされた。

ペイジは全く歌えない。メロディーとメンバ-のコーラスだけが響く。メンバ-もみんなペイジと同様に寂しさに引き込まれそうになるのをグッと我慢しているようだった。特にトレイは、ちょっとこの曲からおかしくなった。
私はあまりにも涙がでることに自分で驚いた。こんなに泣いたのはいつ以来だろう。

しばらく、次の曲に入れない。

なんとかフィッシュマンが音を出す。『Glide』。なんとなくコミカルな曲にもかかわらず、私はもう涙がとまらなくなってしまっていた。さっきまで聞いた曲も、この曲も、ナマで見て聞けるのはこれが最後なのかと思った。

とりあえず、メンバ-自身がちょっとナーバスな気持ちを立て直そうと、あえてこの曲にしたのかなと思った。
個人的には「glad」が「cry」に聞こえていて、泣いたから泣く曲なのかと勘違いしていた。帰国してから 「glad」なんだと知った。我ながら無知にもほどがあるよな。

4人それぞれが少しコメント。
トレイが沢山話す。そして子どもみたいに泣く。こんなにMCをするトレイは見たことがなかった。こんなの見ちゃうとこちらは立てなおせない。今日はやはり、とてもとても特別なショウなんだと感じた。

『Split Open and Melt』は長い長いジャム。私には、どこまでが曲でどこからがジャムなのかわからなかったし、曲が変わったのかどうかもわからなかった。聞いていたんだか耳に入っていなかったのかも、よく思い出せない。
CDで聞き直してみても、こんなに長いジャムやったのか?全く思い出せないのだ。
悲しいのと、なんだかすごいジャムの演奏で、わけがわからなくなっていたのだろう。

『Ghost』のイントロにつながり、知っているリズムに我にかえった。旦那はこの曲が大好きなので、イントロから喜んでいる。「Ghost」もジャムの曲というイメージ。



なんかすごかった。メンバ-も最後だという感情を悲しみではなく、プレイに持っていったという雰囲気。音にのみこまれているうちにセカンド終了。
まだ泣いてる私。

旦那と、「ペイジにやられた」と話す。あれにはさすがに、旦那もかなり涙腺にきていたようだ。トレイだって相当に泣いていた。いつも恍惚の微笑みを浮かべながら演奏に陶酔するトレイが泣いていたなんて。
いよいよラストセットを残すのみ。2人とも静かにそのときを待った。

ラストセット開始。『Fast Enough for You』という曲、私は知らなかった。でも、一音ずつ聞いておかないとという感じできいた。なんだか、もう楽しむというよりも、真剣に聞くモードだった。



そして『Seven Below』へ。この曲で思い出すのはマイアミで会ったB。彼はこの曲のTシャツを着ていて、旦那がいいTシャツだとほめると「この曲が好きだ。たぶん今夜演奏するよ」と笑って言ったのだが、本当にその晩PHISHが『Seven Below』を演奏したので、特に印象に残る曲になった。
トレイはもうダメな感じだけど、一生懸命力をふりしぼっている。

『Simple』もなかなかのひどさだが、とにかく真剣に聞く。私は1stのあとで、旦那とどの曲をやってほしいかという話をしたのを思い出していたのだけれど、結局どの曲もやってほしいのだ。こうして実際に音が出てくると「ああこれも、そうそう、これも」と思う。

次の『Piper』では、急にメンバ-みんな立て直したようによくなった。気持ちよく音にはまる。
それから、リズムに合わせてスタッフ紹介。ファンも一緒にかけ声をかけて盛り上がる。トレイが饒舌にスタッフを紹介していく。英語はわからないけれど、とても感謝しているような雰囲気は伝わってきた。
フィッシュマンとトレイの掛け合いがおもしろい。フィッシュマンの言った「ティキティキ」という言葉に、トレイが「それいいねぇ」という風に曲を作る。おもしろい。そして、ファンもみんなで合唱。

ひとしきり紹介が終わり、トレイが話す。それから『Wilson』。PHISHの曲に合わせて合唱できるのもこれが最後かと思い「ウィールソン」を叫ぶ。マイアミでも聞いた。できれば、まだナマで見ていない曲がよかったけれど、まあこれもいい。

『Slave to the Traffic Light』は、旦那の大好きな曲。イントロに入ったとたんに「きたー、これこれこれこれ」と興奮して私に言う。私は、実はどんな曲かよくわからなくて「よかったね~」と答えた。
たぶん何度もCDなどで耳にしているんだろうけど、初めて聞いた感じだった。とにかく終わりだなと思ってじっくりと聞いた。まわりでは歌っているファンも多かった。私も好きな曲になった。

曲が終わり、4人がステージの前にあつまり、手をつないで深くおじぎをした。舞台のカーテンコールみたいに。
再び涙がでてきた。PHISHはいつもラストセットの後も、それぞれ一礼をしてさらっとステージから降りるので、こんなのは初めて見た。私は、たかだか、これが7回目のショウだからいつもなんて言えないけど、たぶん、こんな風にステージを降りることはなかったんじゃないかなと想像した。

4人がステージから降りると突然ドーンと大きな音。ふと右の空を見上げると花火が上がっている。そんなのは、想像もしていなくて、なんだか唖然としてしまった。静かに終わることを想像していたので、花火が上がるとは思いもよらなかった。なんだか、そんな気分じゃないのになぁ。アメリカ人はけっこう喜んでいる。

私は旦那と「アンコールやると思う?」という話をしていた。というか、やってほしいよねという願望。旦那は「ラストは『Squirming Coil』で、だんだんメンバ-がいなくなって、最後にペイジがステージを降りるんじゃないか」と予想した。私は「そんな終わり方は悲しくていやだよう。でも何がラストかなんて想像つかない。『Farm house』とかどう?」と話した。

しばらくするとメンバ-が再びステージに現れた。やってくれるんだ、アンコール。ほんとにほんとにこれが最後。

トレイが長く話をする。今までの思い出みたいなことを話しているようだ。

そして始まった曲、『The Curtain With』。私はこの曲も知らなかった。でもとてもきれいな曲だなぁと聞いていた。途中に聞いたことのあるフレーズが入る。この曲なんだっけ?あれ、やっぱり知ってる曲?と思うが違う。聞いたことのあるフレーズが部分的に入っているだけだ。

最後は、トレイとマイクが肩をくんでステージを降りた。PHISHの活動が今終わった。


旦那に、「最後の曲わかった?」と聞かれたので「わからないんだけど、知ってるフレーズがあったよ。」といってそのフレーズを口ずさむが旦那に伝わらない。「俺も曲名はわからないけど、聞いたことはあるんだよなぁ」と言った。
後で、このときに入っていたフレーズは『Rift』だとわかった。ほんとうは『The Curtain』が正式な曲名で『Rift』が入るから"with"がついて『The Curtain with』。

ショウが終わる。

PHISHファンは、この瞬間に解散だというのに、わりあいとさっぱりしている。みんな「ああ終わった」という感じでどんどん引き上げる。
もちろん、レール前には熱心なファンが、まるで音が終わったことに気付かないかのようにじっと動かないでそのままそこにいた。

しかし、大半のファンは、出口へと向かっていった。私たちも、寂しい気持ちをかかえつつも現実へと引き戻される。
どうしようか迷ったけれど、とりあえず、今日もまたPAの裏へ行ってみた。何人かの日本人がいたけれど、面識のない人たちばかりだった。話し掛けようか迷うが、それぞれに話も盛り上がっているようだったのでやめる。そのうちにMさん登場。ここにいたみんながMさんを待ちわびていた。私たちは、少し話をした。
そして、Jさんと挨拶をかわしてその場を後にした。

静岡友達とも約束どおりヤシの木の下で会った。


会場の後方には、こんなオブジェもあった


乗っておけばよかったとちょっと後悔。


歩きながら、この場にいるのは最後なのだと唐突に思う。音を思い出すと泣きそうになるので、強引に現実に戻す。
旦那と、パーキングロットを見て回ることにした。Tシャツをいくつか購入。マイアミの方が種類は沢山あったように感じた。敷地はコベントリーの方がものすごく広いのだけれど。

現実に戻ることによって、明日の心配も頭に浮かぶ。明日は朝からまた歩かなくてはならない。行きと同じように。
はたして、ハイウェイにおきざりにした車はまだそのままあるのだろうか?
そんなことは乗り捨てた瞬間から忘れていたのだけれど。
もしもレッカー移動(なんてあるの?)されていたら、レンタカー屋でドライバー手続きをした私だけが罰金になるのだろうか?罰金ですむのか?なんだか不安になってきた。

Tたちとテントで会い、「明日は8時出発の予定で起きよう」と約束。

08/15/04 (Sun)
Newport State Airport - Coventry, VT

Set 1: Mike's Song > I am Hydrogen > Weekapaug Groove, Anything But Me, Reba, Carini > Chalkdust Torture > Possum, Wolfman's Brother* > Taste

Set 2: Down With Disease** > Wading in the Velvet Sea***, Glide****, Split Open and Melt > Jam (blowing off steam) > Ghost

Set 3: Fast Enough for You, Seven Below > Simple > Piper > Bruno# > Dickie Scotland## > Wilson > Slave to the Traffic Light###

E: The Curtain With%

Comment: *The Wolfman's brother is Jon Fishman. **Trey plays his guitar with a glow stick. ***Page gets emotional. ****The band speaks at length following the song. #The band spontaneously writes a song to acknowledge their monitor engineer Mark "Bruno" Bradley. Other crew acknowledgements. ##Spontaneous song for Richard "Dickie Scotland" Glasgow. ###with fireworks. %Trey speaks before the song

Set list.comより

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