2018年10月20日土曜日

2018/10/20 Hampton2日目 昼間

早起きする用事もなかったので、全員わりとゆっくりと起きたと思う。
外は傘が必要なくらいの雨が降っていた。

Sが身体の具合が悪いという。寒さと身体の震えを訴え、顔面も蒼白。
症状から低血糖だと本人が言うので、ベッドに休ませて、チョコレートやラムネ菓子などの糖を食べさせた。

初日に買った食糧が減ってきたので、Sはそのまま安静にして休んでいてもらい、3人で車でターゲットに出かけた。

ハロウィンが近いので店内にかぼちゃが売っていた。


水と冷凍食品、パンとチーズと野菜とビールを買って帰宅。

ショッピングモールの駐車場でレンタカー見失い迷子になりかかる。レンタカーってうろ覚えだから、広い駐車場で駐車した場所も忘れて見失うというのはわりとある(笑)。

部屋に戻るとSは少し元気になっていたのでよかった。
買ってきたものを整理して冷蔵庫に入れ、そのまま朝食兼昼食を食べた。
冷凍のピザはレンジで解凍するのにけっこう時間がかかったけれど、手で食べられるし、上に野菜を乗せたりもできて、4人でわけるにもちょうどよくて買ってよかった。
部屋にあったレンジに無事に入るサイズでよかった(笑)。

私は午後からPhishファンのポスター展に行くつもりでいて、自分でレンタカーを運転してそこまで行くつもりだったのだけれど、Jも興味があるから一緒に行くということなったので、運転はJに任せた。私も久々の海外での運転は緊張していたのでJが運転してくれることになって正直ホッとした。

AとSは部屋に残った。

ホテルから車で10分ほど行ったところが目的地。
会場はThe Vanguard Brewpub & Distillery。あまり調べていなかったのだけれど、中はレストランとクラフトビールのお店になっていて、店内にステージや広いスペースがあり、そこでライブがあったり、今回のような展示イベントにスペースを貸しているらしい。階段上も広いロフトスペースになっていて、今回のポスター展はそのエリアも使って大きく開催されていた。

カウンターは満席で、大勢のお客さんがビールを楽しんで談笑していた。
その奥でSpace Funkというアート展が開催されていた。
こういうアート展は、他のベニューでも開催されることがあって、私はニューヨークとマイアミではPhan Artという展示に行ったことがある。そちらはグッズも含めてファンアートが展示されているのだけど、今回のものはポスターに特化した展示だった。

光る塗料を使っていたり、ホログラムやシルバーメタリックの紙にプリントしたりと、ポスター業界もいろいろと新しい技術が取り入れられている。
ファンアートといっても、このあたりに出展する人たちは、たぶんこれを本職としている人たちなのでクオリティも高い。

私たちが着いたときには、ステージでも何かトークが行われていたのだけれど、内容はわからず。




私は日本の消しゴムはんこをアレンジてしてアメリカでいうLinocut(リノカット)のまね事をして版画作りをしているので、特にリノカットの展示をしている人に興味があった。
そのうちのひとつのブースの人に声をかけられた。私のことをネットで見て知っていて、「版画を作ってるマユミだね」と言った。
アメリカ人は、リノとは発音せず、ライノと言う。そうか、いままでリノと言っても全然通じなかったわけだ。
それで、お互いの版画を交換したり、彼の彫ったリノ版の実物を触らせてもらったり、1版多色刷りにしていることを教えてもらったりして、会話も盛り上がって楽しかった。

それでちょっと勇気もわいたので、そのすぐ隣でやはりリノカットで出展していた人には、自分から声をかけた。こちらも版を展示していたので見せてもらった。
私は厚いゴムシートを想像していたのだけれど、リノ自体はかなり薄くて、それをおのおの自分の好きなサイズにカットして、そして木とかウッドチップを固めたようなものに貼り付けて厚みをだして版を作るらしい。

私はハガキサイズの版画を彫るので、それを見て、「この細かいところも彫ったのか。すごいな」と実際に彫る人に言ってもらえたのは嬉しかった。
多色刷りは余白を彫るのが大変だよねという、彫った人にしかわからない話もちゃんと通じてわかってもらえて、いろいろとお互い共感できた部分が多くてよかった。
この人には、「昔は版画ではなく絵をかいていて、その頃に日本のイメージで描いた絵をステッカーにした」というものをもらった。Phishのメンバー4人がそれぞれ1枚ずつ別の絵になっているのだけど、浮世絵なのか歌舞伎なのか、そんな雰囲気のものを参考にしたみたい。
素敵な作品をいただいた。他にもハンプトンコロシアムを彫った版画をくれたので、私も自分の版画を渡してトレードした。

オークションにJim Pollockや他のアーティストの作品が出ていて、作品展示もされていたので見てきた。版にする前の手書きのラフ画は興味深い。最終的にカラー多色にするものは、コピックのようなもので仕上がりイメージのカラーのラフ画を描いていた。
版に転写するための絵(だと思う)は、トレース紙に鉛筆で描かれているので、たぶん転写方法自体は、私の作っている消しゴムはんこに近いことをしていると思われる。

30分ほど見て会場を後にした。Jとは別に見てまわっていたけれど、Jも楽しんだようでよかった。
帰りにちょこっとターゲットに寄ってもらって、リップクリームを買った。アメリカに来てから唇がバッサバサになっていた。日本より乾燥しているんだと思う。

ホテルに戻るとけっこういい時間になってしまった。
4人で一緒にホテルを出た。ちょうど雨がやんで、雲が晴れてきた頃でよいタイミングだった。
昨日のポスターの列がこの雨の中だと思うと、想像だけでもうんざりするし、Sの低血糖も今日ならゆっくり宿で休めたし、いろいろとタイミングがよかった。




リストバンドの列に並んだのだけれど、この日のリストバンド配布数が終了してしまってゲットできず。
そのままゲートの前に移動して今度はゲートに並ぶ。
JとSはロットに行った。

私とAは列に並んでいた。Aは知り合いに会って、その人たちと話していた。
私は、版画を買いたいという3人別の人から同時にメッセージが届いて、そのやりとりに必死。
ゲート前の列も混んできてしまい、そのうちの1人は私を発見してくれて無事に会えたのだけれど、あとの2人は中で会うことにした。

JとSも戻ってきたので4人で同じところに並んだ。
前後のアメリカ人が気さくな人たちで和気藹々と雑談をしながらすごした。
ここの人たちはみんなリストバンドをもっていないけれど、我々のようにスタンドを目指す人とフロアーを目指す人が混ざっている。お互いにどこで見るつもりなのかという話をした。

私たちは、マイクサイド側のなるべく前よりの前列に近いほうということで、決めてあったのだけど、Aがそのとき話していた人に、「Gのエリアが音がいいよ」とすすめられたと言った。
しかし、Gはペイジサイドらしいのだけど、どのあたりなのかはよくわからない。
それで、話がまとまっていないままの入場になってしまった。

しかも私はチケットをチケットホルダーに入れていてバーコードをスキャンしてもらおうとしたら、チケットをホルダーから出すように言われて足止めされる。Aのすぐ後ろにいたのにはぐれてしまった。
ようやくチケットを出して会場に入れたところで、荷物チェックに時間のかかっていたJが来たので一緒に行動。とりあえずペイジサイド側に適当に場所をとってから、Aに連絡。
AはSと合流できていて、無事にマイクサイド側の最初に話していたあたりがとれたというので、やっと安心してJと一緒にそちらへ移動。

これからAの友達が何人か来るのと、隣同士がキツキツになるのを避けるために、3列使って9人分の席を確保。荷物を置いたり上着を置いたり。
私はレジャーシートも持ってきていたのでそれを細長くしてまとめて5人分ほど確保に使ったりした。ハンプトンは小さいのでスタンド席でもわりとステージに近いし低いという印象。
スタンドの自由席に行ったのは、今回が初めて。いままで行ったところでは全席自由席ならGAを目指していた。

そのうちにAの友人夫婦がやってきた。
奥さんは私に2016年のGorgeでも会っていると言った。たしかにそのときもAと一緒にいて、ロットで出店していた私のところに寄ってくれたのだった。

今年出産をして、ようやく授乳が終わって子どもを親に預けられるようになってショウに来れたのだと言っていた。
お酒が好きなようで、せいせい飲めるのが本当に嬉しいようだった。

他に友達はこないというので、実際に使用する席に移動して、私とJとSは3人横並びにして3列目を空けた。ちょうどそこに座った人たちがフレンドリーでSがすぐに打ち解けて仲良くなっていた。



会場にはリクエストサインがいくつか掲げられていた。





これを見て、Olivia’s Poolを検索したら、1997年のいくつかのショウでしか演奏されていないレア曲だった。Phish.netによると、結局その後はShaftyに集約されてしまって演奏されなくなったらしい。
そんな調べ物をして顔を上げると、となりにもう1枚追加されていた。


 Oblivious Fool。
2枚横並びなので、どんな意味なのかとAの友人の旦那さんに聞いてみた。
すると困惑した様子で「これをどうやって説明したらいいのかわからない」といわれ、奥さんにバトンタッチ。
奥さんは自分のスマホの翻訳を使って、これを日本語にした画面を見せてくれた。


個人的に、この翻訳結果に爆笑してしまった。なんだこれは。
簡単に言うと、単なる言葉遊びだそうで、Olivia’s PoolとOblivious Foolは、アメリカ人にとってはほとんど同じ音に聞こえるそうな。同音異語。
でも「オリビアのプール」が「不愉快なばか」になっちゃうんだから面白い。

リクエストしても、今Phishがこの曲を演奏することはないだろうと言っていた。リクエスト自体がネタみたいなものらしい。

私はこのときに席にいてどうにも荷物がまとまらず、ひざの上にスマホを乗せているのを忘れて何度も床に落としていたら、画面のヒビがひどくなってしまった。
なぜ何度も落とすかというと、通路側をとっていた私たちの奥に入っていったファンが、頻繁にビールを買うのでなんども立ったり座ったりする必要があったから。
さてショウが始まります。


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