2016年7月19日火曜日

2016/07/19 BGCA ショウ2日目

私はこの時に、封筒を持っていた。
中身は自分で作った版画と名刺。
もしWater Wheelでメンバーやマネージャーと会えるようなことがあったら、渡せたら嬉しいなと、今朝ふと思って準備をしてきた。でも、メンバーは現れなかったので、そのままバッグに入っていた。
ショウが始まるまでに周りの人にその話をしたら、「レールにいる人に聞いてあげるから、それショウの終わりに直接Treyに渡すといいよ」と言われ、レールの子に説明してくれた。
私がレールまで会いに行くとそのカップルはとても協力的で「Treyは優しいから絶対受け取ってくれるよ」と励ましてくれた。
私が「では、アンコールが終わったらここに来るのでスペースを少し貸してね」というと、「アンコールだと1チャンスしかないでしょ。1stからやってみたら、全部で3回渡すチャンスがあるよ。1stが終わったらすぐに来てね」と言ってくれた。
私とレールの彼女の間にいるファンたちも「協力するから、ここを通ってOKよ」と言ってくれた。手紙や贈り物を渡したことがある人も何人もいて、さすがレール組だなあと思った。

Aに、日本から持ってきた手ぬぐいまだ持ってる?と聞いたら、ちょうど4枚持っていたので、それを全部引き取った。版画と一緒に渡せたら渡す。



さてショウスタート。視界良好。
スペースも広くぞんぶんに踊りながら楽しむ。



しかし、それも一瞬だった。
たぶんBreath and Burningあたりで、私の斜め側の2列ほど前にいた女の子が、すごい剣幕で怒っている。相手は2人の男性。どうやらその男性たちはショウがスタートしてから割り込んできた人たち。
このパターンは、だいたい「そこをどいて横にずれて」と声をかけて緩やかに横に移動してもらうようにするのだけど(レールの人たちがそれを繰り返していってそのまま横に押し出す感じ)、相手がその場から全然動かなかったようで、その女の子がついに一人の男を後列に突き飛ばすようにした。
で、その男が来てしまったのが私のすぐ前。そのままそこに立とうとしたので私は声をかけて後ろに行くように言った。
Water Wheelのチケットを買って手にしたこのスペース。絶対に譲りたくない。

すると今度は私の右隣に立つようにした。そこは日本の友達OとAの真ん前。だから「彼らも私の友達で、最初からこのスペースをとっているから後ろにスイッチしてよ」と言った。
で、OとAも、この場面では本来自分たちでその男たちに移動するよう言うべきなのだけど、無頓着というかあまりわずらわしく感じなかったのかそのまま。
だから割り込み男2人に私を含めた日本人3人はなめられた。
1人はそのまま私の右に居座り、もう一人は私がかなり文句を言ったので私の背後に立った。
位置関係的にちょうどそいつら2人の間に私たちの荷物がある状態になってしまい、それも非常に気になる。当然手に酒を持っているし。
それで何度も振り返ってそいつにもっと後ろに行けと言って軽く押すようにしたり、荷物を気にしたりしていると、私の背後に立った男に
「うるせえ!俺に触るな!指図するな!お前の荷物には触らない。今ショウをやってるんだからショウを見ろ!!!」と怒鳴られた。

もうね、伏線のTシャツどおりですよ。。。「Shut up! Phish is playing!」

なぜ私がこの言葉を浴びなきゃならないのよ。
私がお前に言いたいわ!と、心の底から頭にきた。ただ同時に、そうだ、今ものすごく良い場所にいるんだった、こんな男に構うより、Treyを見よう、とも思った。

実際、私は私がこの男ともめることで、ショウを止めてしまうような事態だけは避けたかった。あるいは、セキュリティに、この男だけでなく私も一緒に外に連れ出されることも考えられたので、もう1st setは腹をくくってこの男たちの存在は忘れようと決めた。

しかし、この男、その後何度も1stの間じゅう私の背中を後ろからグーでどかどかと殴ってきた。踊っている動きの一部だと言いたいらしい。
こちらもわざと両腕を大ぶりに肘を後ろに出すようにして踊る。

私がずっと絡まれているのを見かねた私の前の夫婦が「こっちのスペースにおいで」と呼んでくれた。それを背面の聞いた男が「いいアイデアだ。それがいい。」と言う。本当に腹が立つ。
せっかく声をかけてくれたので1曲そっちに移動したものの、それは御夫婦がとった場所だし、私もやっぱりそこを使うのは不本意なので「大丈夫だから自分の場所に戻るね」と言ってまた自分のところに戻った。

そのあとは、その男がキャップをかぶっていたのだけど、そのツバの部分で私の頭をたたいてきたり。

髪の毛もひっぱられて結んでいたゴムが下にさがってしまったので、これ見よがしに視界を遮るように結び直した。

もうまったくショウには集中できない。
やられ放題で腹は立つけど、正直相手は男性で怖かったこともあって、後ろは向かずに肘で抵抗するのが精いっぱいだった。

右隣の男が直接的に何かしてこなかったことは幸い。

左側にいたカップルの男性(この2人ともショウの前にはあいさつを交わしてあった)が、私が絡まれているのをずっと気にしてくれていて、ときどきその男に注意をしてくれていた。


気づけば、メンバーはSpace Oddityのためにステージ際に揃っていた。
あ、1stが終わる。ほとんど我に返るような状態でようやくこの曲は落ち着いて聞いた。



終わった途端に私の前にいたみんなが私を呼んで腕をひいてレールまで送ってくれた。
レールではさっきの彼女Lが待ち構えていて、私にギフトを前に差し出すように言って、そしてその辺にいたみんなでTreyコールをしてくれた。

しかし、残念ながらTreyはこちらには気づかずにステージを降りた。
みんなに次は「2ndの後ね」、「まだチャンスはあるよ」と声をかけてもらいつつ、自分の場所に戻った。

さっきの2人組の男はすでにいなかった。
左隣にいた男性が「ショウの間我慢させて申し訳なかった。とてもつらかったと思う。私もどうしてもショウの間はあまり騒ぎを起こしたくなかったので、気になっていたけれど我慢していた。さっき私から彼らに強く言って移動させた。2ndは来ないよ。安心していいよ」と言われた。

思わず力が抜けた。安堵や悔しさで思わず泣いてしまった。
前の夫婦も、さっき知り合ったKもかわるがわる慰めにきてくれて、その優しさにもまた泣けてしまった。
Kとは日本の禅の話をしたばかりだったので、「今後は禅の精神でいるから安心してね」と伝えた。

Phishのプレイとは全く関係がないけれど、これは私にとっての最悪のショウとなった。

***

嫌な奴らもいなくなったので、気を取り直して2nd set。
Down with Disease> Fuego > Ghost って良いじゃないですか。1stの嫌な気分もすぐに吹っ飛んだ。今度こそどっぷりとショウに浸る。


そしてScents and Subtle Soundsが!
3.0期に入ってからは、あまり演奏しない曲なので、大好きなこの曲が生で聞けるのは本当にうれしい。この曲には「intro」がつくバージョンとつかないバージョンがあって、この日はつかない方だった。2003年以外はほとんどintroがつかない。

リハで演っても本編でやらないことも多いから、どうかなと思っていたのだけれど、演奏してほしいと思っていた曲が演奏されるのってこんなに嬉しいのか~としみじみ。

Kも私を見てにっこりとしていた。

演奏内容はそんなに良いとは言えないのだけれど、それでも私にとっては最高な時間だった。


もはや楽しいしか感じない。

しかしまたそれを遮る出来事が。

私を気遣ってくれていた私の前の夫婦のところに、かなりしつこく絡む女がいた。何度横に押しのけてもその夫婦の前に入ってくる。そして奥さんを突き飛ばした。それに激昂した奥さんの方が、セキュリティーを大きく呼んで、セキュリティが気づいた途端に、その女を思い切りレールに向かって押した。セキュリティは彼女をキャッチ、強制的にその場から排除してくれた。

この日はなぜか、やたらとレール付近に横入りする人が多かった。
私は2ndに入ってからは直接そういった割り込みと絡むことはなく幸いだったのだけれど、私より前の列では、幾多の攻防が繰り広げられていた。
ほんと、ゾンビじゃないけど、次から次へと湧いて出る、みたいな状態で、楽しいのだけどピリピリした空気状態だった。

Light -> Manteca -> No Quarter

演奏はその空気を払拭するような感じでよかったのだけれど。



そしてFluffhead。時間的に、これで2ndが終わるなと思い、緊張してきた。
曲が完全に終わる前に、前の人に呼ばれて私はレールに移動して待機。
曲が終わり、トレイがギター置いた途端、私の周辺がTreyコール。気づいたTreyがこちらやってきた。
私はみんなに促され、用意してきた封筒と手ぬぐいを、柵から両腕をめいっぱい伸ばしてTreyに差し出した。
少し遠くてTreyもステージの端にかがんで私の方にぐっと腕を伸ばしてくれて、ようやく手渡し完了。

もはやそのまま気を失いそうな勢いだった。感激して号泣。直後のことは覚えていない。
動揺とパニックと放心が同時にやってきた状態。
とにかく手伝ってくれた周囲の人たちにお礼を言うのが精いっぱいだった。

ぼんやりしながら自分の場所に戻ったら、AとOがびっくりしていた。
そういえば、私がこんな計画をしていることをこの2人にはちゃんと説明していなかったかもしれない。
なんにせよ、手ぬぐいも渡せてよかったです。

この直後に、日本人友達M(ヘイトアシュベリーで一緒に買い物した)が、「まゆちゃーん」と手を振りながら私のところにやってきた。
通常なら「彼女は私の友達だからここに入れてあげて」と言っていれてあげられたと思うのだけど、今日のこのレールのピリピリムードでは、とてもそれを言う雰囲気はなかった。
だからあわてて「今このあたりの空気よくないの。割り込みに対してかなりみんなイライラしてるからこの区域からは出たほうがいいよ。ごめん。ショウが終わってから会おう」と伝えた。

アンコールではこれも大好きなFirst Tube。この曲のTreyの動きを至近距離で見られるのは至福なのです。











というわけで、この2ndセットは、1番好きな曲が聴けたし、プレゼントを直接Treyに渡せたという私にとって最高のショウ。

最悪の1stと最高の2ndという、いろんな意味で忘れることのできないショウとなった。

個人的には普段から「最悪」って言葉は使わないようにしているのだけど、この日のことは最悪という言葉が合っている出来事なのであえて最悪を使った。
この出来事が逆順で起きていたら、この日は最悪と記録されてしまっただろうけど、後半に良い出来事があって最高に終わって本当に本当によかった。

個人的なこの日の教訓は、同じような目にあったら、英語と日本語ちゃんぽんでもいいから、黙らずに言葉で伝え、断固たる態度をとる。
手におえない相手なら、周囲にも協力してもらい、すぐにセキュリティを呼んで相手を排除してもらう。


外に出てすぐにIとAと合流できた。
すぐ近くで花火をしている人がいた。このあとすぐパトカーと警察がきて、この花火の人が連行されてたみたい。
マイアミでも思ったけど、アメリカの花火って日本人が個人的に買える花火の規模よりだいぶ大きくて、職人があげる花火サイズを個人があげているらしくて結構怖い。

お腹が空いているか聞かれたので、もし少し何かあれば食べたいというと冷蔵庫に何かあるから大丈夫というのでそのままUBERで帰宅。

冷蔵庫の残り物を示す英単語がleftoverと初めて知り、へぇぇとなった。
leftover salmonというバンド名はそういう意味なの?と聞いたら、そうだよと言っていた。ヘンなバンド名なのね。

Aは翌日の仕事が早いので先に寝た。
私はIと一緒にキッチンで立ち飲み。パンをトースターで温めてくれて、それにフムスをつけて食べた。なかなかおいしかった。Iがフムスのレシピを教えてくれた。

冷蔵庫はうちの冷蔵庫同様にびっしりマグネットが貼ってあった。
マイアミのチケットマグネットはうらやましいな。

Iと落ち着いていろいろと話せて楽しい時間だった。彼女とのことも聴かせてくれた。
私は今日起こったことを話したら、心から同情と心配をしてくれた。ファンのほとんどはいい人たちだけど、中には少しは嫌な奴もいるから気を付けてと言っていた。

ビールが空いたところで就寝。




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